2024年03月30日

2024年 3月~4月号 辻蕎麦便り






弥生。

雪国山形とは思えない暖かな2月中旬を過ぎたころから、いきなり季節が逆戻りしました。
いつになったら前に進むのかとイライラしながら待っていましたが、なかなか動きません。
いくら異常気象だからといって、春を飛ばして一気に初夏になるなんてことはないだろうなと思っていましたが、25日ころからようやく歩み始めました。
それにしても日々の気温の落差が激しいのには参ります。

暖冬小雪の冬もようやく幕を閉じようとしていますが、振り返りますと異変がいっぱいです。
その中で印象が強かったのが白鳥の北帰行。
例年、3月になり白い世界に稲の切り株が顔を出すと、ほどなくして山形や天童の西側の田んぼに数百羽の白鳥の群れが飛来。
優雅な姿や仕草とはかけ離れた「ギャー、ギャー」というけたたましい鳴き声をまき散らしながら落ち穂を啄ばんでいます。
田んぼの雪融けと共に北上し、この時期の風物詩になっています。

しかし今冬は1羽も目にすることなく終わりました。
もっとも連日観察している訳ではありませんし、見逃していた可能性もありますが。
あれだけの白鳥さんたちはいったいどこで越冬していたんでしょうね。
そういえば、そろそろ北帰行のニュースが流れても良いころなのにとネットで調べたところ、例年より3週間余りも早く2月中旬に庄内各地から羽ばたいていました。
彼らの一大拠点である酒田市の最上川河口などを足場に庄内平野だけでシベリア行のエネルギーを蓄えることができたので、内陸までやって来なかったということでしょうか。
それにしても、毎年、2月から3月にかけての風物詩として心待ちにしている身には寂しいシーズンでした。

わがささやかな菜園からフキノトウを摘み、フキ味噌にして早春の香りと味を楽しみました。
といっても今月の話ではなく、2月17日のことです。
やや小ぶりでしたが、10個ほどのフキノトウが頭を持ち上げていたのです。
いつもならこの時期の畑は雪に閉ざされて、白以外の色を見ることはできません。
異常気象の思いがけないプレゼントに喜びましたが、なぜかそれだけでした。
いつもなら後続部隊がやってくるのですが、全く音沙汰がありません。
まさか春本番になっても、あれだけで終わりなんてことはないでしょうね。

全国でも有数の豪雪地の月山スキー場に通じる県道の除雪作業が11日から始まりました。
スキー場は4月12日のオープンを目指し、6台の除雪車などが急ピッチで作業をしています。
周辺の積雪は約6㍍で、例年より2㍍ほど少ないということです。
雪の多い年は7月、8月の猛暑でも雪渓で雪遊びが出来ますが、果たして今年はどうなっているのでしょうか。






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2024年02月27日

2024年 2月~3月号 辻蕎麦便り







如月。
「こんな冬がこれからも続くんですかね」「夏の暑さがどうなるか、いまから心配」。
こんな挨拶が繰り返された今年の冬もそろそろ終わります。
暖冬小雪でまさに記録ずくめでした。
山形市周辺では、雪景色が数回広がったものの長続きはしません。
路面の圧雪状態は何日あったでしょうか。
幹線道路では午後になると路面がもう顔を出していました。

気象庁のデータベースを見てみますと、最高気温が氷点下の真冬日は1日もありませんでした。
それより驚くのは2月中旬の最高気温です。
11日から20日までの10日間のうち7日間が2ケタで、なんと18.9度の日もありました。
2月の山形で20度近くにまでなるなど夢にも思いませんでした。
これは4月下旬の気温です。

この陽気に誘われたかのように、月半ばに山形城跡の霞城公園で梅が開花したというニュースが流れました。
例年なら4月10日ころです。
わずか数輪狂い咲きしたのでは、と物珍しさも手伝い足を運んだところ、数本の木で10輪前後ずつの白梅がしっかり開いていました。
いつもなら桜の咲く数日前にかぐわしい香りを放つのですが。
今年は桜を大きく引き離してシーズンインしたようです。

郊外のサクランボ畑では、一斉に剪定作業が始まりました。
2月中旬といえば例年ならまだ分厚い雪に閉ざされて、文字通り人っ子1人見かけない時期。
それが乾いた畑の上の脚立に登り不要な枝を切り落とす姿をあちこちで目にします。
梅の花が咲くくらいですから、サクランボの蕾も膨らみ始めたのでしょう。
剪定は樹木が冬眠から目覚める前に行うと聞いたことがありますが、その適期が早々にやってきたということでしょうか。
しかしこれから花芽にとっては大敵の霜との戦いの日々が始まります。
農家の人たちはあまり早く蕾が開かないで欲しいと願いながら剪定バサミを動かしているのかもしれません。

こうなるとお花見が待ち遠しくなります。
山形市では昨年、平年より2週間も早い3月31日に開花宣言が出されました。
雪国山形で小学校の入学式前に桜が咲くなど、驚きを通り越してあ然としたものです。
ことしは異常な暖冬小雪だからその驚きをさらに上回るのではと思いましたが、そうではないようです。
最新の山形市の開花予報をみますと、日本気象協会が4月11日、民間気象予報会社の多くが4月6日となっています。
さすがに3月中旬の花見というわけにはいかないようです。
平年より若干早いものの昨年よりは遅い、ということは3月の気温が昨年より低いということでしょうか。
異常気象を修正するために春が足踏みをしているのかもしれませんね。





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2024年01月31日

2024年 1月~2月号 辻蕎麦便り






睦月。

今年の山形市周辺は2020年以来の雪のない穏やかな年明けでした。
早朝から除排雪に汗を流す必要もないし、歩いても車でも楽だし嬉しい限りです。
ただ長年雪国で暮らしていると、この時期に雪がないことに違和感を覚えるし、目の前に白一色の雪景色が広がらないのはちょっぴり寂しい気もします。

毎年1月10日に山形市中心部で開かれる「初市」。
江戸時代初期から約400年にわたって続く伝統行事です。
市神祭として縁起物や木工品、野菜など生活に必要なものを近郊の農家や木地師などが運び込んで売ったのが始まりといわれています。
新型コロナの影響でここ数年遠ざかっていましたが、久々に出かけてきました。
繁華街のど真ん中の道路約1㌔の両側に150店ほどの露店が軒を連ね、時間帯によっては思うように歩けないほどのにぎわいです。
年齢を重ねたせいですか、会場を進んでもどこか味気ない。
「年明けの風物詩」という言葉が薄れていくような感じです。
初市といえば白に包まれた世界の中で開かれる、これが実に趣があるのですが、今年はかないません。
それに軒を連ねる露店で扱うものが昔とは相当違ってきています。
露店の大半が飲食関係で、キッチンカーが10数台並ぶ一角も。
キッチンカーは今回が初登場ということですが、時代は大きく変化しているんですね。
臼や杵、まな板、雪ベラといったかつての“主役”だった木工品の店は激減していました。
もっとも木の臼で餅をついている光景などはいつ見たのか定かでないほど記憶の彼方に去っているのですから、無理もありません。
それにカブは株を現し商売繁盛、白ヒゲは長寿のシンボルなど縁起物の野菜もほとんど姿を消していました。
大型店に行けばいつでも買えるのですから。
縁起物で唯一存在感があったのは団子木。
ミズキに紅白の団子を刺し、船せんべいを下げたりして豊作を願うものです。
これは数軒残っており、じっと見入っていたらふと小さいころ囲炉裏のある座敷に飾ってある光景が浮かんできました。
時代とともにいろいろなものが変化するのは当然で、初市の景色もこれからさまざまに衣替えしていくことでしょう。
ただ地球温暖化で雪景色のない初市まではまだしも、半袖姿で初市見物などということは絶対に勘弁してほしいものです。

能登半島地震で被災された方々にとっては大変な年明けとなりました。
お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。
また被災された皆様に心からお見舞い申し上げ、1日も早く平穏な日常生活が戻るよう願っております。

辻蕎麦一同、さらに美味しいお蕎麦をお届けできるよう精進を重ねて参りますので、今年もよろしくお願い申し上げます。





posted by 辻蕎麦(つじそば) at 16:06| Comment(0) | 辻蕎麦便り | 更新情報をチェックする