2017年09月22日

2017年9月~10月 辻蕎麦便り






 長月。

 首都圏の友人夫妻が訪ねてきたので、久しぶりに県内各地を一緒に回ってきました。
主に山あいの温泉旅館や宿泊施設に泊まりましたが、「やはりそうなんだ」ということを痛感させられました。
いわずとしれた今年の夏の異常気象です。
雨続きで東北南部は梅雨明けが特定されなかったのですから。

 9月半ば過ぎともなれば、山形県の山間部ではスーパーなどでは絶対お目にかかれないようなキノコ類が頂けるようになります。
キノコといえば、「匂いマツタケ味シメジ」ともてはやされるキノコの王様的存在であるマツタケやシメジ、それにシイタケ、ナメコ、マイタケなどを思い浮かべる人が多いことでしょう。
しかし食べられるキノコは数多くあります。
何種類ものいわゆる雑キノコを一つの鍋で煮たキノコ汁は実に深い味わいがあり、一度食べたらやみつきになってしまうほどです。

 大都会から来たのだから、キノコ汁をぜひ食べてもらいたいとわざわざ山あいの宿泊施設に予約したのですが、いずこの食事にもその姿かたちがない。
えっ、どうしたの、と叫びたいような気持に。
温泉街の朝市も例年なら採りたてのキノコが並ぶのに、いくら目を凝らしても探せない。
店のおばちゃんたちとのやりとりの中で判明したのは、雨が多過ぎたせいかキノコが出ないということ。
こんなことはあまり記憶にないという。
干ばつならキノコが不作というのも分かるが、雨が多過ぎてだめというのは想像が及びませんでした。
なにごともほどほどなのが一番なんですね。

 キノコの宝庫ともいえる地域の産直施設を回っても結果は同じでした。担当者の話では、キノコだけでなく、他の木の実などの出来も心配。
熊の目撃情報がニュースで毎日のように報じられているが、山でのエサが少なければ里に下りてくる可能性がぐっと高まるのでという。

 肝心のキノコ汁・・話だけで帰したのでは申し訳ないので、山の中にぽつんとある山菜そばを売り物にしているお店に案内しました。
天然物だけでというのは無理ですが、天然物プラス栽培物で作ったキノコ汁をつけ汁にしたお蕎麦をご馳走。
大き目の鉄鍋にキノコと山菜がたっぷり入った光景を見ただけで友人夫妻は大感激。
言葉もなしにお蕎麦をせっせと口に運んでいました。

 山形は黄金色と純白が波打つ海の刈り取りが間もなく始まる季節になりました。
今のところソバは順調に生育しているようです。
新蕎麦を楽しんでいただける日もそう遠くありません。
ご期待ください。






posted by 辻蕎麦(つじそば) at 17:34| Comment(0) | 辻蕎麦便り | 更新情報をチェックする

2017年08月21日

2017年8月 辻蕎麦便り





 葉月。

「東京都心では今月に入ってから16日連続で雨が降っています。
これは、22日間連続で雨が降った40年前の昭和52年8月に次いで、2番目に長い記録となっています」。
このニュースに触れた時、今夏はやはり異常なのだということを改めて強く感じました。

 全国各地で集中豪雨により河川が氾濫。地滑りなども発生し、平穏な日常生活を一瞬にして奪われる被災者が続出しています。
これをみるにつけ、穏やかに移り変わるのが特長だった日本の気候がなぜ、いつからこんなに猛々しくなったのかと大方の人が問いたくなるのではないでしょうか。
厳しい暑さや寒さはありました。
しかし厳しさと猛々しさとは違います。
今はどちらかというと力で人間生活を捻じ伏せるといったところでしょうか。
「地球温暖化などは科学者のたわごと」と大国のトップがうそぶいていますが、昨今の状況からすれば、主な原因は温暖化そのものでしょう。

 山形では、7月に30度を超す暑い日が続きました。
ただ8月に入ってからは20日までの間にわずか5日間だけ。
最高気温が23度台というのも2日間ありました。
おまけに雨模様の日が多く日照量が極端に少ない。
これでは作物の生育に影響が出ないはずがありません。
東京のスーパーではキュウリやナスなどが平年比で5割も高くなっているということです。
土中の水分が過多になるとキュウリはあっという間に肥大するし、トマトの実割れも激しくなります。
いわゆる“売り物”にならなくなるわけです。
田んぼでは稲が登熟期を迎えておりますが、しっかり稔るよう願わずにいられません。

 菜園の片隅に売れ残っていた小玉スイカの苗2本を植えました。
植栽直後はアブラムシにやられたりして生育が止り、収穫は望めないと思っていました。
しかし先月中旬ころから急に蔓が伸び始め、子蔓、孫蔓、ひ孫蔓、ここまであるのか厳密に調べていませんが、しばし目を離している隙に5㍍×5㍍ほどの面積に縦横無尽に這っていました。
しかも30㌢近くある雑草の上や中に。
2次元でなく3次元にはびこっているのです。
自然はすごいな。
その生命力にほとほと感心しました。
ピンポン玉のような赤ちゃんスイカがあちこちに確認できます。
うっかりすると踏み潰すのではないかと心配しながら、歩を進めなければならない状態です。
立派に成長して、口中を満足させてくれるよう期待していますが、この天候では果たしてどうなることやら。

 ソバ畑では、見事なくらいにきれいな緑色の苗がすくすくと育っています。
ソバの成長は早く、真っ白い花の大海原を目にする日も近いようです。






posted by 辻蕎麦(つじそば) at 17:18| Comment(0) | 辻蕎麦便り | 更新情報をチェックする

2017年07月18日

2017年7月 辻蕎麦便り

 




文月。

なぜこの時期にと思いますが、専門家でないので「なぜ」はおくとして、ことしも「熊出没」のニュースが増えてきました。
去年の7月にも熊の目撃件数が飛躍的に多くなっていることを取り上げました。
実は先月まで、熊に関するニュースはさほど気になりませんでした。
去年のように多くなかったということでしょう。
山の食糧が不足していないのかもしれない、と思ったのも束の間、今月に入り急激に目撃件数が増えたようです。
絶対数が増えた分のエサを山で賄い切れないんでしょうね。
縄張り争いに敗れた熊が下へ下へと追いやられているのでしょうか。
いくら山里とはいえ、数年前まではほとんどなかった民家の庭をうろついたり、小学校のそばを歩き回ったりと、どんどん人間の生活圏に踏み込んできています。
昨年来の熊騒動以前は、山菜取りに入って出遭ったとか林道で車の前を横切ったとか、いわば熊の生活圏での遭遇が中心でした。
ことしの秋の山の食糧事情はどうなのでしょうか。
熊が自分たちの生活圏でのんびり暮らせるような状態であればいいのですが。山里の人々のためにも願わずにいられません。

 ささやかな菜園で珍事がありましたので、そのお話を。
 「えっ、何これ」。
先月下旬、キャベツの苗を20本ほど植えた畑をのぞいて、思わず声を上げてしまいました。いろいろ雑事に追い回されているうちに、時期的に大幅に遅れて、キャベツの苗をホームセンターで購入。
昨年は幼苗期から青虫やらなんやらに散々食い荒らされました。
これを猛省し、ことしは大事に育てようと黒マルチを張り、防虫ネットでしっかりカバー。
当初は小さな葉っぱを見るにつけ、近所の畑と比べ出遅れ感をたっぷり味わったが、なんと途中で追いつき、追い越してしまう。
うん、良し、良し、と内心にんまりしていたら、そのうちの3本が他を圧倒するほどの葉の広がりをみせた。
キャベツは外葉が大きくなるほど玉が肥大するといわれているので、どれほどジャンボサイズのものができるのかとわくわくして見守る。
そんな折、ある日突然、冒頭のような場面に遭遇。
目に入ったのは中心部にキャベツの玉ならぬ真っ白な塊。
キャベツのつもりがいつの間にかカリフラワーに。
キャベツ版「みにくいアヒルの子?」。
「なんで、なんで」としばし呆然。
キャベツの苗を買ったのに。
いまさらホームセンターに文句を言うわけにもいかないし。
この話を近所の先輩にしたところ、こんなことじゃない?
と謎解きをしてくれた。

キャベツとカリフラワーの苗は見分けがつかないほど酷似している。
ホームセンターなどでは隣り合わせのコーナーで売っていることが多い。
シーズン真っ盛りの時なら各コーナーとも苗のポットで埋め尽くされている。
しかし終了間際になると、補充しないのかすかすか状態に。
「お年寄りの客がカリフラワーの苗をいったん買い物籠に入れたが気が変わり、戻す時に誤ってキャベツのコーナーに戻したのでは」。
種類が違うとポットの色が違うのだが、自分ではキャベツの苗を買ったという先入観が強すぎて疑うことはしないし、店員もキャベツとカリフラワーの苗を買ったのだと思ったのではないか。
これでは途中で混入に気付くことは難しいでしょう。
肝心の味ですが、カリフラワーというのはこんなに美味しかったのとびっくり。
色は純白で、こりこりという表現がぴったりするほどの歯触りでした。
それまでカリフラワーというのはどちらかといえば敬遠してきた野菜でしたが、すっかりファンになってしまいました。
これも素人ならではの面白さでしょうか。

 郊外を車で走っておりますと、車窓から真っ白なソバの花がうねっている光景を目にすることが多くなりました。
新蕎麦の季節はもうすぐですね。
楽しみにしていてください。






posted by 辻蕎麦(つじそば) at 18:19| Comment(0) | 辻蕎麦便り | 更新情報をチェックする