2019年08月30日

2019年8月~9月 辻蕎麦便り







 葉月。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。
暑い、暑いと連日照りつける太陽を恨めし気に見つめていたころが懐かしくなるほど、山形周辺は一気に気温が下がってきました。
郊外に出ると、つい先日まで緑の剣先のような稲穂が風にゆられ、海原の波のように揺れ動いていましたが、あっという間に穂が膨らんで頭を下げています。
一時は低温続きで収量の減少が心配されていましたが、どうやら持ち直してきているようです。
農家の人たちも胸をなで下ろしていることでしょう。

 盆地のなかにある山形や天童は、7月から8月にかけて日中の気温が35℃を超えることは珍しくありません。
ただ夕方、太陽が山の彼方に沈むと同時に暑さが和らぎ、ほてった肌には涼しくさえ感じられるほどになります。
夜が寝苦しいなどといったことはほとんどありませんでした。
ところが先月下旬から今月半ばにかけて、この“常識”が覆されてしまったのです。
熱帯夜が続いた上に、日中の尋常でない高温が住宅のいたるところにしっかり忍び込み、夜中に壁や床から這い出してくるのです。
いつもなら寝ている間にクーラーを使うことはほとんどありませんが、さすがに今年は無理でした。
体中に汗をかき、頻繁に目覚めてしまいます。
完全な睡眠不足に陥り、いわゆる「夏バテ状態」に。
山形でこんなことになるとは思いもしませんでした。

 この猛暑も20日を境に一転。
明け方にどこからか冷気が忍び込んでくるようになり、2、3日は涼しくて寝やすくなったと喜んだのも束の間、今度は肌寒さで目を覚ますようになりました。
タオルケット1枚では体に寒さが残るので、薄い夏用の布団を掛けて凌ぐ有様。
この気温の乱高下になかなか体調がついていけません。
季節や気温はもう少し緩やかに移ろってほしいものです。

 これまでも何回か書いてきましたが、日本は世界中でも四季がはっきりしており、その中でも山形周辺は春夏秋冬が色濃く認識できる地域でした。
春夏秋冬は3カ月ずつあるものと信じていましたが、近年はどうやら崩れてきているのではないかという気がしてなりません。
というより、春なら春、夏なら夏の天候が続くのではなく、春の中に冬や夏が混じったり、夏の中に秋が混じってきたりで、季節がぼやけてきているように感じます。
こんな状態が長く続けば、自然は変質していくでしょうし、われわれの生活だって変わっていくのではないでしょうか。
さまざまな「旬」がいつの時季なのか分からないなどということだけは絶対になってほしくないものです。





posted by 辻蕎麦(つじそば) at 07:20| Comment(0) | 辻蕎麦便り | 更新情報をチェックする