2015年03月03日

雛そば

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早いもので、もうお雛祭りの季節となりました。

雛壇をつくり、お雛様を飾り、菱餅、白酒、桃の花を供える「桃の節句」
さらにこのお供え物の中に「蕎麦」を加え、「節句そば、雛そば」と呼ばれるようになったという事でございますが、今回はこの「雛そば」にまつわる薀蓄をひとつ・・

この風習は、江戸時代ごろから始まったと云われております。
そして、お蕎麦をお供えするタイミングは、どうやらお雛様を片付ける前におこなったようでございます。

江戸時代後期 文政13年(1830)の随筆 『嬉遊笑覧』
(江戸時代の習慣、風俗などを分類・考証したもの) には、

「今江戸の俗にひなを取りをさむる時蕎麦を供ふ。何れの頃よりするにか、いと近きことなるべし。こは長き物の延ぶるなど云ふことを祝ふ心に取りたるなるべし」

との記述があり、
お雛様を片付ける時にそばを供えるのは、そばが「長く延びる」ことに縁起をかついだもので、家運や寿命が長く伸びるようにという願いをかけるためだと説明しております。

また、一般的に雛そばは、お雛様を片付ける時にお供えするという事より、片付ける=引越し の意味合いの、「引越しそば」の一種であったという説も・・・

同書では、明和2年(1765)の川柳として

「樟脳をそばの次手に買いにやり」 

という作品も紹介しており、
江戸時代中期にはすでに雛そばの習慣が民間で広く行なわれていたと推察されております。
これもお雛様を片付ける際に蕎麦を購入したという内容ですから、
蕎麦はやはり昔から縁起物として愛されていたようですね。

このように、今回は「雛そば」の起源に思いを馳せながら「辻蕎麦」を愉しんでいただけましたらと思い、記録から紐解いたお話をさせていただきました。

因みに今回の画像は、辻蕎麦倶楽部の会員の皆様にお届けする辻蕎麦便りの一部でございます。
ちょうど今回は、ブログと同じ内容+αでお届けさせていただいております。

このように、毎回いろんな方向からお蕎麦を楽しんでいただけるように趣向を凝らしてお届けさせていただいておりますので、ぜひ倶楽部会員になっていただき、季節の移り変わりとともにお蕎麦を愉しんでいただけましたらと思っております。
ご興味を持たれましたら是非一度コチラをご覧くださいませ。












posted by 辻蕎麦(つじそば) at 11:47| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2015年02月25日

鳥そぼろあんかけ蕎麦

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まだまだ寒い日が続いております。
今月は、ほんわかと温かい素敵なメニューのご紹介。

「鳥そぼろあんかけ蕎麦」です。

こちらのお蕎麦は、山形は七日町にあります京都鉄板焼きのお店「嘉ちゃん」のイベントで出させていただいたもので、 嘉ちゃんのアレンジで創作していただいたメニューです。

嘉ちゃんは京都出身の料理人で、厳選された京都の素材を使用しており、山形ではなかなか味わえない本物の京都の味をリーズナブルな価格で提供しているお店です。
ご縁あって辻蕎麦とのコラボレーションを数回行わせていただいた折の一品になります。

山形のうまみのある濃いめのかけ汁とはまた違った、薄味で、しかしとても上品で繊細なあんかけだし・・
嵯峨野の湯豆腐や、九条ネギ焼きのお好み焼きなどのコース料理の締めのメニューだったのですが、たくさんのおいしいお料理を食べたあとにも関わらずいくらでも入ってゆくような美味しさでした。

うまみのある鳥そぼろと甘い九条ネギの風味が噛みしめるほどにじわじわと染み出して、それをやさしくほんわかと包むあんかけだしのお蕎麦・・上品な薄味なので蕎麦の風味も活かされ本当に調和のとれた良いお味でした。

この味に近い雰囲気でお召し上がりいただくには、まず、付属の特製そばつゆをだし汁で3~4倍程度に伸ばしていただいた鍋に火をかけ、鳥そぼろを投入し火を通して鳥のうまみをお出汁に移し、仕上げに水どき片栗粉で適度にとろみをつけたあんかけ汁を作っておきます。

この間に網などでかるく炙ったネギを細切りに!(甘い九条ネギの代わりに火を入れたネギで代用するわけです)

蕎麦のゆで加減は早目に!
通常より少し早目のゆで時間(約45秒程度)で引き揚げ、流水でしっかりとお蕎麦のぬめりを取り、氷水や冷水で蕎麦を引き締めておきます。

最後に引き締めていたお蕎麦にお湯をかけて温めなおしてから器にもりつけ、温かいそぼろあんかけをかけてネギをあしらい完成です!

(この、氷水や冷水できっちり挽き締めたお蕎麦に再びお湯をかけ温めなおしてから盛り付ける行為は、専門店のかけそばの作り方の基本ですので、ぜひ覚えておいてくださいませ)

お好みで、おろしショウガや七味などでアレンジしてもおいしく召し上がっていただけるかと思います。

是非お試しください!
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posted by 辻蕎麦(つじそば) at 22:45| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2014年10月15日

樹齢120年のリンゴ

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本日、とても貴重なリンゴをいただきました。
明治時代に山形県で最初に植えられたリンゴの木・・その最後の1本。
1年間で130kgしか収穫できない特別なリンゴだそうです。
品種は「紅玉」・・小ぶりですが酸味と甘さのバランスがすばらしいリンゴです。
そっと磨いたらなんとも表現できない深く綺麗な輝きを見せてくれました。

果樹の樹齢が30年と言われるなか、樹齢120年で今尚収穫ができるというのですから驚異的です。
とても強い力を持った木であることはもちろんなのでしょうが、山形は積雪が多く枝折れも多い地域です・・この木の持ち主が、代々変わらない愛情を注ぎ続け、大切に守ってきたからこその賜物なのではと想像に難くありません。
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一口食べたら、やはり普段のリンゴとは違っていました。はじめに強めの酸味を・・そして後から優しい甘さが追ってきます。生命力と懐かしさを感じる味にとても感動しました。
・・・120年間も愛され生き続けるリンゴ
世代がかわっても丁寧に丁寧に人の手がかけられているからこそ醸す味の深さ。
私たちも仕事で何ができるのか・・この小さなリンゴにあらためて考えさせられました。



posted by 辻蕎麦(つじそば) at 14:19| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする